設置、取り付け、調整

2007年1月 6日 (土)

24V系車両へ12V用カーステレオ取付け

今年の仕事始めは カーオーデイオ電装品の取り付けでした。

24V電源の大型トラックに CDの付いている12V電源用のカーステレオを取り付けることを依頼されました。  元は純正の24V電源用カセットカーステレオが付いていましたがユーザーの要望で今回は安価で多機能で入手のしやすい12V電源用のデッキを取り付けました。

今回の機器構成は 

・12V->24V DC/DCコンバータ(ACCコントロール+バックアップ回路付き)

・12V用 CD、カセット、チューナー 一体型 2DIN デッキ

工具は 半田ごて ギボシ端子用の圧着端子 テスター 配線 赤 黒  +-ドライバー 車載電装用黒ビニールテープ(一般電気用と異なり経年劣化でも糊面がはがれたりしません。最近ではカー用品店に売られています。特徴はテープに艶が無いのでわかります)充電式ドライバー(ドリルとして使用) 予備ネジ(タップネジ 4mmボルト 3mmボルト)

まず 準備としてコンソールパネルを外し 元のカセットデッキを外します。傷付けないように 直接金属がプラスチックに当たらないように工具を選びます。 金属しか工具が無い場合はビニールテープを先端に巻いて直接当たらないようにします。  

取り付けは 新たにギボシ端子を配線の末端に付けながら作業します。配線が足りないものは延長配線を作って中継します。 純正にも戻せるように 純正配線は絶対に切ったままにはしません。(これは 車の電装をいじる上での最低限のマナーです)

1.アース関係を接続します。 DC/DCコンバータのアースと デッキのフレーム デッキのアースを それぞれボデイのネジにY端子を使って接続します。 完成品では静電気でのトラブルは少ないですが 電装品の取り付けはまずアースからというのが基本です。余談ですが 唯一手順が逆なのは バッテリーの取り付けの手順。 これは+端子を先に接続し ー端子を最後に取り付けます。 外すときはー端子を先に外し +端子をあとで外します。

2.スピーカーから開始 極性を合わせて接続しました。

3.DC/DCコンバータの+24V 常時電源をバッテリーからヒューズを介して接続します。 デッキの消費電力が小さければ純正デッキのコネクタに来ている+24常時電源でも問題はありません。電流を計測して決めます。今回は消費電流が少ないので純正のコネクタからの+24V常時電源を使用しました。このケーブルにはヒューズが1つは入っている必要があります。

3.DC/DCコンバータを車のACC電源(24V)で制御するため DC/DCコンバータのACC制御線を車の純正カーステレオのACC端子の配線に配線を半田付けしてギボシをつけて分岐させ供給しました。 この配線は車両側にヒューズがあるのでヒューズは不要です。

4.DC/DCコンバータの12V出力とデッキの電源の接続 デッキのACC電源入力にDC/DCコンバータのメイン出力+端子から電源を供給します。

イルミネーションのコントロールをしない場合はデッキのイルミネーションの配線を この12V出力から分岐したものに接続します。 24系のイルミネーション電源(ライト電源)を 12Vデッキのイルミネーション配線に接続してしまうと 電圧が2倍も大きいためにデッキが焼損などで故障します。

5.DC/DCコンバータのバックアップ配線とデッキの常時+12Vのギボシ端子を接続します。 

注意:セルモータを回したとき DC/DCの入力電圧が規定値よりも低くなりコンバーター動作が不安定になるのを防止するためにあえてリセットし電圧が出なくなるDC/DCコンバータもあるのであらかじめ車の電源から DCDCに電源とACC入力を入れテスターの表示が 12Vが出た状態でセルモータを回し セルを回しても12Vが出ていればそのまま使えますが 0Vになってしまうものはパワーダイオードと105度C規格以上の大容量コンデンサを用いて電源デイレイ回路ブロックの追加 をするか またはDC/DCコンバータを 入力許容電圧の最低のレベルがさらに低い 他の機種に変える必要があります。 今回は 計測の結果リセットされず問題ありませんでしたのでそのまま接続しました。

デッキの取り付け金具を 従来のデッキから外し 新デッキの穴と位置合わせをして外し金具に穴加工。 (電装のマナーとして 絶対にデッキ側は加工しない)

位置確認まで済ませてから そのまま動作確認をします。 電源が正常に入り 表示も問題なく FM AM CD カセット ともに正常に音が出ましたのでチェックはOKです。

金属シャーシーの角に当たりそうな配線にはビニールテープを連続的に巻きガードしました。 配線のまとめとして 配線をタイラップとビニールテープで整理し、その後 デッキを金具で取り付け パネルを付けて取り付けが完了しました。 (電装のマナーとしてユニットごとに配線を整理する)

AM FM の放送局を選び ピツと鳴るまでボタンを押し 選局プリセット操作をして 音質調整 バランス確認 フェダー(前後バランス)の確認をします。

この DC/DCコンバータを使ったデッキの取り付けの唯一の問題点は 電源を切っているときの暗電流が大きいこと。 常時24Vの配線を バックアップ電源のために DC/DCコンバータの中で 24V->12V への変換が常時行われ 損失が発生しています。この電流は すべて接続してから計測します。 今回は0.1Aでした。 けっこう大きいため 通常の使用の際は問題ないですが 長い間車を使わないときには DC/DCコンバータの電源を切っていただくように説明をしました。 外付けのスイッチを付けておくというのも手ですが DC/DC本体は 手を伸ばせば切れる位置に設置したので わざわざ1個 スイッチを増やすこともないので 今回はDC/DC本体のスイッチで切ってもらうことにしました。

ユーザーに操作の説明まで1時間で終了しました。

24V系の デッキは なかなか見つかりませんが 最近では DC/DCコンバータ自体にACCコントロール バックアップ回路 といった機能が追加されているため 電源を切ってもラジオの選曲プリセットがリセットされてしまうようなことは無くなりました。 

再度電装取り付けの注意事項: ・純正配線は切らない

                    ・デッキ本体(電装品本体)は加工しない

                    ・ユニットごとに配線を整理する

                     (後付けパーツは分離しやすいようにしておく。

                      純正デッキに戻すことを考慮しておく。)  

電装品は カーショップ 電装屋 デイーラー 整備工場 以外で ユーザーがご自分で取り付けをされる方も多いと思いますが 参考になれば幸いです。

 

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