オーデイオ

2008年12月 6日 (土)

古いジュークボックスの修理

アメリカ製の古い 真空管式のジュークボックスの修理の依頼を受け 少しづつですが 修理 調整を行っています。 今回は所有者の水戸市のお客様より了解を得ましたので写真を掲載させていただきます。

製造年は1955年 私が生まれる5年前の製品 外観などはメッキ部分もレストアされ大変綺麗です。 あとは 内部回路の修復で生き返ります。

セレクターは電気式で記憶はコアメモリーを真空管のロジック回路で働かせています。

アンプは6L6のプッシュプルのモノラル構成 トーンコントロールはハイカットスイッチと

ローブーストの回路が付いています。 

アンプとしての回路的には一般的ですが ロジック系は細部にわたり 少ない部品で規

定の動作をさせるという意味では感心することばかりです。

・外観写真 200曲 収容レコード数は100枚。

・内部

・部品の故障例

・真空管試験器で真空管の劣化を計測中のようす

・ピックアップの部分 

 この機器ではマグネチック式両面再生用のカートリッジを使っています

 音の特性の悪い圧電セラミック式ではないので音にこだわった機器だったのでしょう

Juh1

Ju2

Ju3

Jus1

Ju1

今回 この機器に回路追加で ワイヤードの音量調整と外部入力端子を付けました。 

ラジオ ipodなどの入力を入れて音を出すことができます。

このジュークボックスも電圧や歪率は計測器で計測をして基本性能を確認できたら耳の判断になります。 年末までには 修理完了予定です。

私は 回路を覚えたのは真空管回路からです。 ですので状態を見るだけでおおよその回路は理解できます。 

Q-EL では このような 古くても思い入れのあるものは修理するという1例として記事を書いてみました。 

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2007年3月16日 (金)

陶器のスピーカーエンクロージャー

朝日新聞の マイタウン 茨城に 陶器で作るスピーカーエンクロージャーの記事が有りました。 

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000703110001

陶器の箱は低い周波数では鳴らずユニットの性能がそのまま出るので一般的な木のエンクロージャーとは鳴り方が違うはず。 

一般的な木のエンクロージャーではバスレフポートを開けてしまうと楽器のように鳴ってしまう箱になることもある。それも個性ですから好みで選ぶことになります。

陶器は有名な作家さんに、自分だけのデザインオーダーも出来るのでオーデイオが好きで、本人か家族が陶芸も好きな方にはたまらないかも知れません。 (オーデイオがインテリア・デザインの一部になる可能性)

是非 普通のスピーカーと聞き比べしてみたいです。

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2007年2月25日 (日)

試聴用スピーカー

キットの試作の試聴用に 

Victor の 木製振動板のスピーカー SX-WD5

http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/hifi/sx-wd5/index.html

を購入しました。

木製の振動板で独特の雰囲気を出してくれます。  ツイーターと ウーファー どちらも振動板が木で出来ています。

ジャズを聞いた音の感じは私の好みでした。

低音が足りませんがこのサイズでは低音の限界は仕方ないものですからサブウーファーで補う方法が良いと思います。

ビクターのスピーカーはZERO3 ZERO5の頃から聞いていますが 音楽を楽しむスピーカーだと感じます。(ダイヤトーンやYAMAHAとはちょっと聞こえ方が異なる)

外観の仕上げは良く、価格から見ても充分納得の行くレベルです。 エンクロージャーはリア抜きのバスレフ式。このクラスでは遊び心があるスピーカーに感じます。

前面

Front_4

裏面

Rea1_3

木製ウーファー

Wf1_2

木製ツイーター

Tw1_2

                  

                   

今日から音出し、慣らし中ですが、最初の音の印象はさすがにメーカーが検討しきって出てきただけのことは有ります。 

さて、真空管オーデイオアンプキットはまだ試作実験中ですが、ほぼまとまりつつあります。

中途半端では出せないので、特性や温度、信頼性、特性の個体ばらつきに問題が無ければまずは関係者で試聴予定です。 

この時期 期末は仕事が重なり、なかなかまとまった時間が取れず進行が遅いですが少しづつ進んでは居ます。

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2006年12月14日 (木)

スピーカーケーブル選び

オーデイオのカテゴリーで オーデイオの部品について 少しずつ書いてみたいと思います。

スピーカーケーブル 

オーデイオのスピーカーケーブルは 様々なものが発売されています。 ケーブルは 単に アンプとスピーカーを接続するものですから 本来は無いほうが音に色づけなく 良いのですが アンプの電力をスピーカーの位置まで運ぶ関係で無くてはならないものです。ケーブルはできるだけ色づけが無いものを選びます。音に色というのも変ですが 一般に音の聞こえ方、鳴り方を音色と言います。 いわば音の色ということです。この聞こえ方は何色などと 自分で決めて考えてみると楽しそうです。音を 楽しむのが 音楽です。 自作オーデイオについても 他人が良い音ではなく メーカーでは無いのですから 万人向けの音でもなく 自分の好みの音を探しもとめるのが良いと考えます。

スピーカーユニットを買うとついてくるケーブルは細いですが スピーカーのパワー相応のものが多いはず、市販のものは様々なパワーに対応するため 様々な 太さ 材質 構造 絶縁材の種類 があります。

ケーブルを選択するうえで ケーブルの影響の度合いや 特性が決まるのはこの4つの要素の組み合わせですが 特に影響があるのは 太さ 材質 構造の3つです。

1.太さ

材質により単位面積の抵抗値x長さで決まる 抵抗値があります。 細ければ抵抗  値を持ち 太ければ抵抗値は低くなります。   パワーがあればあるほど この抵抗値による電圧降下のロスが効いてきますが 通常 部屋で軽く聞く1W-5W程度では あまり差がありません。 最近のローインピーダンスのアンプなどでスピーカーを鳴らす場合は、細いケーブルのほうが音が良い場合もあります。パワーを出さないのにむやみに太くしても効果はありません。負荷インピーダンスとケーブルの抵抗値の比で分圧されます。配線は長さに比例して抵抗が増えますから スピーカーが遠いために 配線を長くするのならば太いものを使い できるだけ抵抗値が増えないようにします。

高い周波数ほど遠くに伝達するとロスになります。 高い周波数ほど表面を通ろうとする性質があります。 広い帯域を通すにはできれば単線よりも多芯の撚り線が良い特性を示します。 

2.材質

一般の電線の銅 無酸素銅 などがあります。 材質により単位長さの抵抗値が異なります。 抵抗値が低いほど ケーブルの影響が減ります。 

ケーブルを長く伸ばせば伸ばすほど構造による影響が特性や音色に出ます。 広い周波数域を通過させられるものが良いとされています。 音の周波数帯の波長は非常に長いため 銅線または無酸素銅線であれば音には問題無いレベルかと思います。 銀メッキ線なども有効ですが めっき部分は抵抗値が低くても断面積は小さいので ハイパワーになればなるほどメッキではなく素材そのものの抵抗値が低いものを使ったほうがケーブルを通過した信号の周波数特性はフラットになります。

3.構造

ケーブルを長く伸ばせば伸ばすほど構造による影響が特性や音色に出ます。 オーデイオの場合 真空管アンプ以外では 低出力インピーダンスで スピーカーの8Ωなどとは アンマッチングでドライブをします。 そのためインピーダンスのアンマッチによる反射が必ず起きます。 波長は非常に長いために音が消えるような定在波は発生しませんが 進行波形と 反射波形との合成によって 音色に変化が生じます。 これは 周波数ごとに異なり 信号の波形ごとに異なるのでやっかいです。 つまり 平行線構造 よじり構造 同軸構造 編み組構造 などで アンマッチのスピーカー端に電送される信号が大きく異なります。 

私としては真空管アンプではマッチングが取れるのでほぼ何でもよく(抵抗を持つものは良くないが) 低インピーダンスの半導体アンプやOTLのアンプは 平行ケーブルではなくよじり構造が理想的だと思っています。

最近 タイムドメインで考える方法を提示しているメーカーもありますが 実際の音楽は インパルス的な音や正弦波に近い音、ゆっくりした周波数変化を伴う音 など スタート地点が一定ではない波形で、一定の音だけではないので すべてをタイムドメインで考えるのは無理があります。将来もっとすべての機器の動作が高速になったり 入力から出力まですべてがデジタル処理できるようになれば可能かも知れません。 (一般にデジタルアンプと言われているものはPWMアンプであってデジタルですべての音を制御しているデジタルアンプではありません。)

デジタルアンプなどデジタル化が進んでいますが Hifi再生は 今も30年前も変わりません。  良いソース 良い入力機器(CDなど) 良いアンプ 良いケーブル 良いスピーカー があって Hifiに近い(いくら頑張ったとしても元の音と全く同じにはならない)良い音が再生できます。 アンプはカタログデータの歪率の表などを見て歪み率が低いパワー領域で使い スピーカーもちゃんとストロークするパワー領域で使うと歪みが減り リアルな音がします。 

このブログのオーデイオでは 長いオーデイオ歴 アンプとスピーカーエンクロージャー自作歴(34年以上)の経験を生かし 今後も 一般家庭で普通に鳴らすことができる 1W-15W程度で 良い音を鳴らずことを少しづつ紹介してゆきたいと思っています。

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2006年11月30日 (木)

真空管アンプ 部品の選別

製作中のアンプですが 部品のばらつきが大きいので選別をしている。

アナログ部品の組み合わせで良いものを作ろうとすると 調整できる部分は限られてくるので部品の選別が必要となります。

現在 以下の方法で選別中。

抵抗、コンデンサ :LCRメータで計測し選別

トランス:高価なのでトランスを基準に他のパーツを選別

半導体:カーブトレーサーで計測し選別

真空管     : 自作中(写真)の真空管テスターで最適バイアスや増幅率を測定し選別予定

Dscf1829

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2006年11月21日 (火)

アンプ

現在 真空管アンプを製作中。 設計は終わって 組立てに入っています。 

性能試験は計測器で行い その後、実際に音を出し視聴しながら回路定数の変更や改良をする。

視聴、部品選別という 今では嫌われる工程に時間をかけ完成させたいと思っています。

現在製作中のアンプは 最小限の機材でよい音を出すことができることが目標です。

アンプは製作中のものと 以前から改良を加えてきたアンプを 下記の入出力機器で比較しながら視聴

CDプレーヤーは 基準機として SONY CDP-555ESD 

スピーカーは 古いが 標準サイズのもの 2種を使う DIATONE DS-73D と YAHAMA NS-1000 

このスピーカー2種は 明らかに音の質が異なる。

DS-73Dは はっきりしたパワフルな音 NS-1000は YAMAHAらしく パワーを入れてあげると

リアルな音。 音楽を聴く場合 どっちのスピーカーがよいかは 曲により決めます。

特にスピーカーは 曲に対して合う、合わないがはっきり出ます。

音楽を聞くには 楽曲が優先で機器を選ぶのが理想的ですが カタログデータのみ鵜呑みにして 

まず機器やスピーカーを選んでしまってから アクセサリーなどで楽曲に無理にあわせようとしている方が

多いものです。

1つのスピーカーでオールマイテイに使うのは難しい。 適材適所で選ぶべきです。

「スピーカー」を選ぶ場合は種別ごとに、すべて音の出方が異なるので まず聞く楽曲に合うかどうか自分で

一度は視聴をして決めたいものです。 視聴をして買うことをすれば 後に その時点でなぜそのスピーカー

を選択したかをわかっているので 仕様変更も楽で自分でも納得するはずです。

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2006年11月 2日 (木)

笠間市 匠のまつり

茨城県 笠間市で 11/2から11/5まで 「匠のまつり」が開催されている。 

期間中 陶器 石 農産物の展示即売が行われている。  

開催されている場所は陶芸の森公園の駐車場の先(丘の下)の広場。ストーンフェステイバル会場内。http://www.intio.or.jp/kasama/index.html 

焼き物のオークションなども有る。 私も 明日 出かけてみたいと思っています。

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2006年10月18日 (水)

アンプの出力インピーダンスと真空管

最近のアンプの出力素子は 近年 素子としてのMOS-FETがハイパワー化が進み安価になったため 急激にMOS-FET化しています。カーオーデイオのアンプなどは ほとんどがFET使用。 デジタルアンプは完全にスイッチングなのでFETが効率が良い。 しかし アナログアンプは。。どうだろうか。。 リニア領域で動作させる向きにはトランジスタが向いている。FETの利点は熱暴走しにくいこと。 制御電力が小さくて済むこと。

電子工学や 高周波回路などのアンプ(増幅器)設計では SWR(反射波)を減らし信号伝達の効率を上げるため インピーダンスマッチングという考え方をするのが普通です。

マッチングを考える分野が多い中 オーデイオの場合だけ 考え方が異なります。オーデイオの基礎中の基礎ですが アンプの入力とソースの関係は ソース側がローインピーダンスで アンプの入力側がハイインピーダンス。 この理由は 受ける側で信号を弱めないためと このほうが信号線を長くのばしても外部のノイズなどの影響を減らすことが出来るためです。

オーデイオのメインアンプ(パワーアンプ)のスピーカー出力側のインピーダンスとスピーカーのインピーダンスは 8Ω出力なら8Ωのスピーカーを接続する。 と 言うように 確実に同じインピーダンスでインピーダンスマッチングをしていたのは真空管アンプの時代まででした。

OTL(アウトプットトランスレス)の半導体アンプやICアンプになってからは 出力インピーダンスは1Ω以下 でも 推奨スピーカーは8Ω インピーダンスのマッチングからいうととんでもないアンマッチです。 入力と正反対です。  アンマッチなほどダンピングファクタが大きいことになります。 みなさんは このことが なぜそうしているか考えたことがありますか? 

スピーカーは 電気を受けて音を出す 受動素子でもあり 音(振動)を受けて電気を出す 発電素子でもあります。 フレミングの左手の法則も フレミングの右手の法則も こなす部品です。 ダイナミックスピーカーやセラミックスピーカーはマイクにもなります。そのため プレストーク型のインターホンなどでは スピーカーをマイク代わりに使うこともあります。

音の電気信号をスピーカーに入れると音が出る代わりに 電力(電圧 電流)が戻ってきます。 その電力でアンプが破損するようでは困ります。 また その電力で音が劣化しても困ります。 そのため 半導体アンプでは 出力インピーダンスを思い切り下げておき さらに強いNFBをかけてスピーカーを制御下に置くのです。 

スピーカーからの電力くらいでは影響を受けにくいようにNFBも使い強烈なサーボをかけたようにして入力信号に対し振動板をバランスさせて動作させています。このNFBによってケーブルの差もあるていど埋められます。大電力になればなるほど 全領域をリニアに働かせるためには このようなサーボ手法が必要になります。 昔 ケンウッドでΣドライブというものがありました。 この方式などは まさにケーブルまで含めてサーボループに入れてしまいスピーカーをアンプの制御下に置こうとするものでした。スピーカーによっては制動されすぎた音がしたものでした。メーカーの個性として懐かしいものです。

自作派の中には NO NFBアンプなども有りますが これでスピーカーを完全に制御するのは難しいと思います。 出力インピーダンスがかなり低いアンプでないと過渡特性的にはつらいと思います。私の場合は 趣味でも仕事の設計でもスピーカー出力端からのNFBは必須と思っています。

最近では トランス付きのプッシュプル真空管アンプにこだわっています。 トランスの1次側はキロΩオーダーのハイインピーダンスで2次側は8Ωのローインピーダンス。 真空管の場合これだけ差があるため 2次側のインピーダンスを必要以上に下げずとも(トランスの2次側とスピーカーのインピーダンスマッチングをお互い8Ωにする) 真空管側が動作点で信号を維持し軽く抑えてあげるだけで巻き線比でも軽くブレーキがかかることになります。 そこにNFBを軽くかけ使用します。ギターアンプなど音のハーモニックスや余韻も楽しむ向きには真空管が向いているのはそのためです。 半導体はオーバードライブを連続すると壊れてしまい 壊れた素子は復活しませんが 真空管は多少オーバードライブでも劣化はしますがいきなりは壊れません。(ヒーターが切れるとかエミッションが低下しないかぎりは。。)そのため 楽器では今でもビンテージとしても好まれるのだと思います。

スピーカーだけを暴れさせないためにも 小さな音であってもアンプの制御下に置くためにも 半導体の場合も 真空管の場合もNFBは必須と考えています。 私の場合は トランスのNFB巻き線ではなく スピーカー端からのNFBを使い続けています。 ちっぽけなポリシーですね^^

現在企画中のアンプのキットもこのポリシーを生かした構成とすることにしました。出力トランスは高いですが インピーダンスマッチングするキーパーツとして省かない予定です。

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2006年6月30日 (金)

真空管アンプ試聴会(那珂市)

新聞を見ていたら 真空管アンプ自作を 愛好している アマチュアの方たちが試聴会を行う という記事がありました。6人くらいの方が アンプを持ち寄るようです。

常陸管球の会 自作アンプ試聴会

7月2日(日)12:00-15:00 入場無料

那珂市 中央公民館 2F視聴覚室

茨城県那珂市福田1819-5 

聞きに行きたいと思います。

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昔と今のアンプの話 

ここのところ 仕事で各種アンプを製作することが多い。 アンプといっても様々。 増幅器すべてアンプですから 直流(DC)から高周波 低レベル電圧信号から 高圧信号 微少電流信号から大電流信号まで様々 私が仕事で担当するものは 国内の計測機器や 国内の産業用機械の高周波アンプや広帯域アンプ。

一般の方にアンプと話すと オーデイオアンプを思いうかべる。 オーデイオアンプは簡単なようで難しい。 簡単だ と思っているうちは奥をまだ知らない方が多い。

奥とは キットや 公開されている回路をそのまま組めば動かないはずがないのですが。 自分で回路を設計して実装をしてというようなことをすると 発振したり ノイズが止まらなかったり 歪率が下がらなかったり など。 泥臭いことがあり 時間を費やすことが多い。最近ではシミュレータを使って動作解析してしまうが 実装したあとにどうなるかは実装の設計手法で決まる。(組む方や 基板のレイアウトで大きく変わる)

オーデイオアンプは簡単なようで 様々な電圧レベル 様々な電流レベルを扱うことになり 増幅回路内の歪みや音への色付けが少ないことが要求されるので意外に難しい。(設計が済んでいてキットになっていたりすれば簡単ですが) 特に高ゲインのアンプの部分や 大電流 高圧でスイングされるような回路の アース周りのレイアウトはかなり難しい。 オーデイオでは 扱う周波数が1つではないからだ。

歪や周波数特性は 単信号での計測の繰り返しで数値で計測できる。 音の色付け(原音との相違)や音の善し悪しとなるとまた別のこと。 

歪率だけ小さくても 周波数特性だけ良くても 良い音はしないものです。

最近 原点に戻って実験しているのが真空管アンプ。 真空管アンプにも良いところ悪いところは多くある。 特にS/Nに関しては真空管は悪いほうだ。 また クロストークについては信号系のインピーダンスが高いこともあり 左右電源を分けていなかったり 電源インピーダンスが高いと不利です。

現在 設計 製作中のものは 真空管の欠点の部分を少し抑え 現在のアンプの良い部分と 真空管の暖かみのある音を両立させています。 

なぜ 今 真空管なのか? これは 好みの音の問題と 勉強のためでもあります。

電子工学的な話をしますと 高圧 フルスイングの真空管のアンプ これを原点に返ってやってみることで ハイスピード 高スルーレート のデジタル回路や高周波のアナログ回路の勉強になっています。 デジタル回路も1つのゲートを見るとハイゲインでクリップする「アンプ」の1つです(C-MOS ロジックは特に)。 現代はデジタル機器などは 5V系から 3.3V系へと移行し メモリー系のインピーダンスも25Ωくらい。しかし回路はすぐに半導体化されたり 半導体自体が高速化されたり ASICやSMT部品や ゲートアレイで組むこともできるので小型化さえできれば配線長も短くなりインピーダンスマッチングも楽になり高速化も問題ありません。

昔のデジタル機器は ハイインピーダンスで250V程度の電圧を扱いフルスイングさせていた。クロストークも相当なものだったと思われますが デジタルなら しきい値が高いので助かっていた アナログアンプも最近は低インピーダンス大電流 昔は高電圧小電流だった そう考えてゆくと ライン間クロストークは昔のほうが難しく 電流でライン上に電圧が発生し電圧降下が影響することなどでは現在は難しい。 後者も小型化できればラインも短いので問題は無くなる。 すべてにおいて設計、製作は楽になっていると感じます。

作る側は楽ですが 使う側は 軽薄短小のニーズが多いためか 一般のものは安価で オーデイオや計測器なども同様に ハイエンドの機器を好む向きには ニーズが少ないために開発費が回収しきれない高価なものを買うしかなくなってしまったように感じます。

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