古いラジオの修理
今回の修理例は VICTOR 2バンドホームラジオ 5H-258
I様よりご依頼いただいた お亡くなりになったお母様が使われていた ご家族の思い出の品で 動作しないままにしておくのは心苦しいとのことで 今回、当方を見つけていただき修理依頼いただきました。
回路はシリコントランジスタ5石(CANタイプの石)のスーパーヘテロダイン 2バンド受信機です。回路構成は真空管ラジオからの踏襲です。 私も趣味で 小 中学生の頃にいじっていましたので その当時のラジオとほぼ同じ回路で非常に懐かしいです。
ゲルマニウムトランジスタの時代が終わりシリコントランジスタに変わった時代のラジオです。 CANタイプのシリコントランジスタは今となっては貴重ですね。
長年使われたため 初期はこの写真のような状態でした。年期を感じます。
音は全く出ません ハム音が出るため音声系の回路は生きています。
修理経緯
・一部 外部入力に切り替えるための配線改造箇所がありましたのでオリジナル回路に復元(動作しない部分の修理完了)
他の故障および問題点確認
・基本動作確認 OK 音声も正常 但し歪み、ノイズ、ボリウムガリ多い
修理
・分解 洗浄、掃除、乾燥
・ダイヤル糸確認、調整
・電解コンデンサー交換
・ボリウム洗浄
・直流バイアス確認 他、半導体動作点確認
・スピーカー穴あき修理
修理後の内部写真
調整、計測
・IF調整
・オシロスコープにより RF OSC 波形確認
・SGによりダイヤル:周波数調整 トラッキング調整
・SGにてAM変調した波形を受信し、検波出力の音声波形をオシロスコープで確認
・音声増幅回路の歪確認
・エージング
以上で正常となりI様にお渡ししました。
仕上がりの写真は下記です。 キレイになりました。
今回はご利用ありがとうございました。
復活したラジオ まだまだ動いてほしいですね。
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