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2006年4月 2日 (日)

タイムドメインスピーカー

最近 タイムドメイン社のパテントを使った タイムドメインスピーカーがいろいろなメーカーから出てきている。富士通テン 日本エムイーテイー 原理などはメーカーサイトに書かれています。従来の考え方と大きく異なるのは スピーカーのバッフル板を基準にしないことと 正弦波を基準に考えないことでしょうか。 特性的にはインパルス応答を最優先で考えているような印象。バスレフのような構造でインパルス応答を良くする。 バスレフの欠点 制動が甘くなることをうち消すようなしくみだろうか。 

スピーカーの原理の基礎は電磁石につけた振動板が空気を振動させ音波(音圧)になるもの。 マグネットのギャップの間にボイスコイルがあり そのボイスコイルを フレミングさんの法則で 電流で動かしコーン紙に力を加えて動かし音を出す。ダンパーでは余分な振動を抑える。 永久磁石で動くスピーカーは電磁石にもなれは発電機にもなる。(そのためインターホンなどではマイクにも使っている) 一般のスピーカーはバッフル面のほうが広く ネジ止めしやすいために バッフル面をバッフル板に固定している。高級スピーカーと安価なスピーカーの差は 磁力の大きさの差だったり フレームの剛性の差だったり 精度の差だったり コイルの素材の差だったりする。 高級スピーカーでは ウーファーのマグネットを保持しているものもある。  

タイムドメインの説明のように 確かにスピーカーにハイスピードの信号が入ったときには アンプ(メーカーではエンジンと呼んでいる)から音源のボイスコイルが動き コーン紙が動き音の波になるとき フレームが押されるため位相の差や信号が終わったときの振動は生じる。 この位相を問題にして マグネット側を基準(メーカーではGNDと呼んでいる)にして音を出そうとするのがタイムドメイン社の方式。

さて タイムドメインという言葉ですが 電子工学の世界では 高周波回路などで昔から使われてきました。 高周波に詳しい方ならTDRという言葉を聞いたことがあると思います。 TDRはオシロスコープなどで高周波などの信号を観測する際に 通常は横を時間軸と縦を振幅として観測しますが TDRでは 横を時間軸(時間位置) 縦をインピーダンスとして 反射波の位置を観測します。レーダーのような計測方法です。 プリント基板や同軸ケーブルのインピーダンス値(50Ωなど)の計測やマイクロストリップラインに影響する様子などの計測に用います。

スピーカーのタイムドメインでは 横に時間軸(位置)縦を音圧として見ています。 カーオーデイオなどでは DSPでデイレイを動かして リスナーの位置を調整するような機器もあります。 私はDSP機器は好きではないのでほとんど使いませんのでわかりませんが。。 ルーム側を調整できないカーだから仕方ないので生まれた技術なのかも知れません。

ホームのほうでは 音の反射や定在波などは配置や構造でも消せますが それをいじらず スピーカーや装置で聞く位置をコントロールするのは車のポジショニングに似てきていると思います。 

高級機と イージーに聞く装置を持ち それぞれの長所を生かして 聞き分けして 楽しむのも良いかも知れません。 1台だけで 音楽が聴ければ良いという方は 部屋や配置を変えたく無い場合は タイムドメインのようなイージーリスニングに向くスピーカーやシステムもおもしろいのかも知れません。いろいろな理論は長所もありますが短所もあります。 今まで高級オーデイオで蓄積されてきた技術が無意味になっているわけではないので勘違いはしないようにしてください。 音は好みなので 聞いてきめるべき^^ 私は評価はしません。機器選びはあくまでも 聞く方のデザインの好み、音の好みですね 

自分でスピーカー自作をする場合などの基本は 聞きたい音量域できちんとコーン紙が動いて背面の音圧が正面の音圧のじゃまをしないこと。。 ダンパーが重く感じる領域では歪みが大きく ポートの設計をミスして正面の音を 背面の音がうち消すことがあってはいけない。これが スピーカーの基本です。

スピーカーを評価したいときには バッフルの影響や空間の影響を受けにくいヘッドホンで視聴してみることをお勧めします。 私が今まで聞いた中で 音楽が「楽しく」聞こえるヘッドホンはスタックス静電(コンデンサ)型イヤースピーカーでした。 モニター用のように荒が目立たないというか。 楽しませてくれるというか聞いていて楽というか。 機会があればスタックス製を是非聞いてみてください。 

参考までに 私がアンプ製作の評価に使っているヘッドホンは 音が辛目に出るSONY MDR-CD900ST と オーデイオテクニカの ATH-PRO700  スピーカーはDS3000 DS73D 自作スピーカー です。DS3000は知り合いのものでリファレンスとして使用 DS73Dは 振動板がチタンのため慣らしには時間がかかりましたが個性があって好きです。

リスナー側の立場ならば 自分が楽しく 良く聞こえる出力機器(ヘッドホーンやスピーカー)を選択すれば良いと思います。 自作も楽しむのであれば多少辛目の結果を出すものが良いと思います。 

タイムドメインではない従来型のスピーカー選びのポイントを書いておきます。低い音量で聞くならば バスレフ式 大音量で聞くならば 密閉式をお勧めします。 密閉式はフルに振動板が動くような領域でも低音が暴れない(オーバーシュートが少ない)利点がある。 大きな音で 低音を多く含むパーカッションの音の歯切れ良さを楽しむには密閉式が良いものです。パワーを出して行ったときの躍動感は従来型にパワーを入れたときのほうが良いと思います。コンサートなどは従来型を使い続けると思います。

タイムドメイン型は 箱は鳴らず マルチスピーカーが少ない、大きなウーファーを使わないなど 周波数域はあまり意識していないため 従来のスピーカーで指向性をきちんと合わせて本来のリスニングポイントで同じ条件で聞いた音と比べてみると差がわかると思います。

聞こえ方は 人ぞれぞれです。 お好みで選ぶべきです。なお 聞くときには ご自分の聞く音量で聞くことだけはお忘れなく。(大きい音で聞くと良いが小さい音はつまらないものもあります。逆もありえます。)

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コメント

勉強になりました。Qさんってオーディオに凄く深い知識をお持ちのようですね。

投稿: さくらば | 2006年4月 4日 (火) 09:42

コメントありがとうございます。
>Qさんってオーディオに凄く深い知識をお持ちのようです>ね。
音楽 美術 科学 に興味があるので いろいろな分野で興味を持ったことには覚えてきました。 仕事の環境的にも物創りの側で働いています。
そうして歳をとったので多くのことを知っているだけです^^

マイナーな資格 ラジオ音響技能検定2級を持っています。多くの方は知らないでしょうね。 
1級はなかなか難しいです。
興味と自信のあるかたはトライすることをお勧めします。
仕事で使わない場合は 趣味の資格のようなものですが。。
でも 個人の技術レベルははっきり把握できます。

それよりも 趣味のオーデイオ 
聴く側なら楽しむことに専念すべきですね。

投稿: Q | 2006年4月 4日 (火) 10:11

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