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カタログ値と聴感の音

オーデイオの聴感は計測データで表現しにくいもの。 

理由は 実際の音楽では 速い音 遅い音 たまにくる音 一定のリズムの音 弱い音 強い音 パルス的な音 やわらかい音(正弦波) などが 混じっているためです。

計測範囲を絞り込んで、何を基準に測定するかで 調べたいところを調べることは可能ですが 人間の感じる聴感とマッチするかどうかの計測はまだできません。

将来はできるかも知れませんが 人間が聞いた音で判断するという ことは「人間らしい計測」として残っても良いような気はします。

波の速度は 周波数が変わっても可聴周波数範囲なら変化は少ないものですが 音が伝わる課程では 1つの波を基準に見てみると、その波に反射で位相がずれたものが合成されたりする場合に波長やそのときの位相の相違によって 同位相の合成による振幅増大 や逆位相での振幅減衰がおこります。 

このことは音声信号や波を扱う分野すべてで当てはまりますが、「1つの波」ではなく「全ての波」でおこるので大変なことです。水の波紋のような綺麗な1波では無いということです。たとえると 波を発生するために 動かす周波数 動かす速度ともにランダムに水面を揺らしたとき発生する波は場所によって異なるもの。 音で言えば厳密には聞く位置で音は変わってしまいます。

音声信号再生では計測のときのように2、3種類の周波数ではなく様々な音の周波数、位相、振幅が混ざり合っているため全てを同時に計測したり表示することはできません。

機器や入出力の部品によって音が変化します。 

音響、オーデイオ、音の仕様を決めるのは人間であって 自然の単音以外の音を仕様に当てはめるのは難しいものです。

実際の計測では、音について計測されている部分は人間が見られるように可視化する課程で、表示の仕方として都合のよい方法を決めて計測をしているにすぎません。

周波数レスポンスなども時系列で見たいときにはそのターゲットの一部(見たい部分)の時間を止める(同じ速度で追いかける)か戻して(記録しておいて過去のデータを見る)のがやっとで、現在出ているの音の全ての情報を同時表示させても人間はすべてを同時に判断できない。また 表示する最小分解能もデジタル機器の限界や現時点での限界でしか見ることができません。

オーデイオの計測を進めると、この「計測しきれない部分」は計測器ではなく人間が感じ取ることに頼るしかないことが良くわかります。

オーデイオ機器の開発過程では 初期は計測器に頼るが 仕上げの時点では 人間が判断します。

耳の良い人(自然の音やオーデイオ視聴を数多く経験して耳の肥えている人)に頼ることで 良い悪いを判断し チューンナップをします。

その結果 楽しく疲れないで楽しめる音 を求めることになります。

いくら良い音でも疲れてしまう音では長く聞いていられないものです。

質感をもちつつ 時間を忘れて聞ける音 何かしながらさりげなく聞ける音など が おそらく オーデイオや音楽が好きなみなさんが求める音ではないのでしょうか。

周波数特性や S/N特性だけでなく 質感を求めると アナログ的な動作でしっかりとしていて多くの周波数が同時に入っても変動しにくい部品となり 高価な部品が必要になります。電力が少ないと解決できない場合もありますので部品もしっかりしたものが必須になります。多くはこのような部分の部品代にお金がかかり 高級なアンプは高価なものとなります。

最近 デジタルアンプが増えていますが 電力効率の向上 材料の削減 生産性の向上 カタログ上のデータ インパクトあるエネルギー感の向上 が先にたっていて メーカー側の都合で普及が進んでいるだけのような気がします。

ノイズ発生が低い 聴感上の特性が良い 質感が良い  残響、ハーモニックスなどアコーステイックな音の再現性が良い スピーカーとのインピーダンスマッチングが良い など アナログアンプにあった良さが生きていない感があります。

良い音の高級アナログアンプに慣れ親しんだ方は 最近のAVアンプなど簡易的なICを使った アンプそのもののコストを削ったタイプのものの音は好きになれないという方が多いようです。 多チャンネルであってもアンプは良いものを使いたいものです。 

このような例では AVアンプに外部出力があれば お気に入りの外部アンプを付けて楽しむという手もあります。

まだ 今の時点では デジタルになればすべて解決するわけではありませんので勘違いしないようにしたいものです。 

良いものは良いことですが 省エネの時代になり、多少悪いものも何が悪いかを見て、良い部分もあるということも判断して 他の方の評価に頼らず自分の価値観で考えて使う時代になったのかも知れませんね。

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