私は 仕事の分野でも 趣味の分野でも 聞く方にとって 良い音 心地よい音を求めて AUDIO Lifeを続けています。
私は 趣味の分野では自作派ですが 高い機能を要求されるものは買って楽しみます。機能的に自分では出来ないものはメカ系のものでソースとなる機器が多く 性能を見てお金をかけます。
音楽を聴く場合はこのソースの再生の部分で手を抜いてしまうとそのまま増幅され、増幅過程や電力>音声変換の部分でも変化が生まれますから、結果としては当然良い音にはなりません。
学生の頃からメーカー勤務の時代を経て 今までには アンプやスピーカーは 購入したものの他では数多く自作をしてきました。仕事の上でもアンプの開発に携わっていた時期がありましたが 妥協したくない性格のためこだわって物づくりをしてきました。
このブログは 自作やキットで 自分なりの音が出るシステムを組んでみようという方向でほとんど数式を使わずに わかりやすく良い音を出す基本をメモを書いて行きます。 オーデイオの音を出す機器は電子機器ですから基本の動作はすべて計測で性能評価ができますが 実際に音楽を聴くとそれぞれに個性があり、技術が進歩してもこのことは変わりません。 本物の音と機器を通った音の差を追うことは終わりのないことだと思います。
最初に 「音」を考える上での基本中の基本 伝搬の速度 音も電波や光と同じ波なので 伝搬の速度と波長があります。光と音の差は 音の波長は光の約100万倍長いもの。
音は1秒間に 約340m 進む(伝搬する) 波長も340m
音の波(音波)は空気の密度変化の波で進むため電波や光よりも伝搬が遅い。
伝わり方は気圧で変化するため 雨の日の音と 晴れている日の音の聞こえ方は多少異なることがあります。
音が空気中を伝搬する場合の1秒間の伝搬速度をまとめます。伝搬速度と波長の値は同じです。 音は空気などの媒体がないと進むことができません。
1Hz (1秒に1個の波) =約340m
1Hz = 波長約340m は 1秒で340m進む こと。
光と比較しての音の速さは、小学校か中学校で習うことですが おさらいの意味で あらためて書くと、だれかと340m離れて おーいと言うと 相手の口の動きよりも 1秒遅れておーいと聞こえることを意味します 雷の位置を光った時間から音の聞こえるまでの時間差で 何Km先に雷があると 距離を計算するのはこの応用です。
光からみると音は時間軸のレンジがまるっきり異なり、止まっているような速さなので光を基準にすることができます。最近はやりの タイムドメインと言う言葉はこの「時間」を基準に考えることを意味します。 オシロスコープなどの扱いに慣れていればわかりやすいと思います。オシロスコープなどは波形を時間軸でおいかけて同一の周波数で同期をかけて相手を見ます。絶対的には高速で流れているものですが 同速にして 相対的に差を読む方法ですから差の周波数は目で見える範囲にすることができます。
10Hz =約 34m
300Hz =約1000mm
10kHz =約34mm
可聴音周波数=20Hz~20kHz 音の伝搬速度 約17mm ~ 約17m
参考
電波や光は空気を振動させませんから伝搬が高速で 1秒間に30万Km (地球を7周半)の距離を進めます。
電波の波長(m) = 300 ÷ 周波数(MHz)
可視光の波長 = 0.4 ~ 0.8μm 赤 ~ 紫
音楽の音の波は 他の波と同じく、同じ時間を基準で考えると同じ距離でも届く波長の音のレベルや位相の位置が違い、実際に計測をしてみると周波数ごとに音の強弱が異なります。
また1種類の音が1サイクル移動するにはそれぞれの時間と距離が異なるため タイムドメインの考え方も 特定の音(周波数)の成分を抜き出しての確認はできますが 同時に多数の音が混じり合いハーモニックスが生じたりしている状態を同時に確認することはできないため 聴感については今後も耳に頼るものがまだまだあります。
カタログ値や計測値は一緒でも 聞いた音が違って聞こえるのはこの「波長」が1つの要因です。部屋が狭いと低い音が聞こえないのもこのためです。 全域の音の評価には広い部屋が必要で 反射なども抑える必要があります。
素材や構造の違いを別にすると もう1つ 聴感を変える大きな要因は スピーカーとダンピングファクターの関係でしょうか。
音の比較をする場合は くれぐれも 物理現象なので 機器の違いのほか 部屋の大きさ 反響 反射 音の大きさ 曲の相違 楽器の違いからくる差もあることはお忘れ無く。
オーデイオに関する理論的な勉強をしたい場合は AR検定(旧 ラジオ音響技能検定)を受けてみることをお勧めします。 私は 旧検定の ラジオ音響技能検定ですが2級です。ショップレベルの方でも 物理的、電気的にオーデイオ機器を説明をするには4級程度 修理をするには3級程度の実力は必要かと思います。
車なども乗ってみて自分の感性にあうかどうかで買うもの。 オーデイオも聞いてみて自分の感性にあうものを買う それが本来の姿かと思いますが 最近ではそのようなショップも減ってしまい ネット通販や量販店の販売の関係もあって 情報量が多く、カタログ値と価格のみで決定している方が多いように思えます。
自然や美術を楽しむのと同様、オーデイオの分野、音楽の分野は 自分の感性を使って選んだり、試行錯誤したり、聞いて選ぶという人間らしい趣味は大切にしておきたいものです。
今では 雑誌などに載る 評論家の評価 人の評価 お店の評価 は1つのものさしとして見て 実際には実際に音を聞く人間が楽しめる音を求めるのが オーデイオや音楽の趣味の楽しみだと感じます。
多く市販されている自作キットなどの製作では、製品を単に買って組み合わせるだけでは得られない 自分の手づくりの部分で、「完成させ、好みの音に近づける」という楽しみも得られる趣味の1つです。
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