自然な音の機器再生チェック (1)

オーデイオ機器のチェックは テストCDという手もありますが 音の 最も基本的なこと 自然の音が自然に聞えるのか のチェックをしておきたいと思います。

まずはソース ということで Q-Electoronics Factory に 機器チェック音データを追加 いたしました。

チェック用ということで ファイルサイズを下げて劣化させることはしていない16bitのデータを乗せてあります。 

光回線の方は 問題ないと思いますが ADSL回線の方は重いかも知れません。

1回目は 川のせせらぎ です。

みなさんが お持ちの機器では 川の流れに聞えますか?

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トランスと時間軸

ギターアンプや古いアメリカの音楽はやはり真空管が良いですね。 

トランスの特性を生かしていることと 電流で無理に押さえ込んでもいない(半導体の場合は多くがサーボ的にスピーカーの振動板を抑えてしまう)ことや波形の歪み方があくまでもサイン波を基本としてひずむので聞える音としては理想的なのでしょう。

自然界にある音の波形の多くの基本形はサイン波です。

私などはOTLは様々な回路を実験しましたがトランスを使わない真空管アンプにはあまり魅力を感じません。 

真空管も半導体もなぜトランスレスになったかを考えてみるとわかります。 良い音のするトランスは材料代も巻き方のノウハウもあるためどうしても高価になってしまう。 私なども雑誌の影響でOTL SEPP DCアンプ製作に夢中になった時代もありましたが 今になってですが 材料が貴重な時代 に生まれたOTL回路の背景がわかるような気がしますし スピーカーのドライブは不整合で良いのか? と思ったりもします。トランスの8オーム出力に8オームのトランスを接続する。 これが交流理論とすれば理想。

トランスのネックは 直流バイアスでインダクタンスが下がってしまうことと 低い周波数の伝送特性ですが高価なものはコア材質の最適化や巻き方で充分な伝送特性を持っています。 安価にするため使わないでも良いなら使わないほうが安価で効率よく作れます。 効率や価格を考えるとアウトプットトランスレスですが サイン波(正弦波)の再生全体で考えたときはトランスのほうが特性は良いのではないかと最近特に思います。 何を主 何を 従とするか なのかなと思います。(性能優先かコスト優先か、作り手優先か使い手優先か)

アンプの性能評価で 矩形波の応答をテストしますが これはあくまでも高速応答を見ておくだけのものであって 速くても音が良いとは限りません。 機器個別の基本性能は計測器で計測し判断して調整しますが オーデイオは数値特性だけ良くても聞え方が良いとは限らないので面白い分野です。  

最近 タイムドメインという言葉で製品を売っているメーカーが多いですが 要は時間軸に忠実であるということしょう。従来は波長の関係で高い周波数のスピーカーの装着位置の調整でカバーしてきたものなどの延長上にあると思います。 

古くはサンスイなどのアンプでTIM歪みを重視したことがありましたが まさに 当時から時間軸に対して遅延なく伝送できるのが理想であってオーデイオ機器全体としてはスピーカーから音として出てしまうと音の伝送速度 波長が関係して電気信号の伝送速度 波長とはかけはなれてしまう。。 これは スピーカーから聞く位置が遠ければ遠いほど影響を受けるようになります。 私などは オーデイオ系の開発経験は長いのですが試聴などでは高級な音響性能に特化したヘッドホンを薦めています。タイムドメイン的(時間軸基準)な影響は最小で済みます。

オーデイオ信号もオーデイオシステムに入れば電気信号のうちはほぼ同速度で同位相で増幅されます。 

レコードの振動をカートリッジが拾い電気信号にする部分では楕円針などで忠実にトレースできればほぼ正確な電気信号に置き換わります。

ですが アンプを出てスピーカーに入り 音が出たところからは音の速度です。この差を各周波数帯で計算してみるとわかりますが 記録した状態から 空間や距離が異なれば同一の再生は無理があります。(ヘッドホンの場合は近くはできますが。。) 

オーデイオ全体のシステムとして見た場合の最終判断は耳です。聞くのは音ではなく 音楽が目的なので楽しく良く疲れないで聞える音が理想。 元と同じ音が理想ではありますが位置や空間が異なり音の波長がある限り永遠の課題で終わりはありません。 

耳ではタイムドメイン的な時間軸の変化は判断しやすいので多くの周波数 多くの波形の合成である音楽の場合は耳に勝る測定器は無いのかも知れませんね。(オシロスコープでの計測もFFTなどもその時間軸や周波数軸で人間が都合のよい部分を止めておき見たい部分を見る計測器にすぎないわけです)

オーデイオのシステムは 組み合わせ次第でいろいろな音が出ますが 今あるものを使って良くしてゆく場合 元々あるものがこだわって揃えたものなのか 汎用的なものをまとめて買ったものなのかを判断しないと いつまでも汎用的なものにこだわっていると見失うものもあります。

オーデイオの楽しみ方のコツは 自分が納得ゆく基準機を持つこと 

・良いソースが基本 最近では デジタル放送の音楽ソースを良いD/Aコンバーターでア   ナログ信号化したものがアンプのソースとしてはベストです。安価なCDプレーヤーを新品で買うよりも 当時高級だったCDプレーヤーを中古品で買いメンテナンスをして使うという手は賢い選択です。 コストの制約があるものは結局それなりのため近年の安価なものを購入する場合は 基準機になりえないと思います。 

ここから スタートしてみると そのあとの機器がどうなのか? 良いのか プアなのか? バランス的に間違った選択なのかがわかると思います。 

基本は音響特性に特化したヘッドホンでの試聴でアンプの出力までは決めることをお勧めします。 

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AUDIO

今年は 他の分野の電子回路の仕事でなかなか AUDIOの試作や実験ができませんでした。

来年早々からは 自作される方向けのキット部品 などをキット化することを始めたいと思います。 

最近 AUDIOも音が出れば良い とか 機能すれば良いという向きも多く パソコンのオーデイオ系ではコンパクトさ、省電力を追求しすぎたためにノイズが多かったりD級アンプの特性が良くなく音がひずんで聞えるなどの製品もあります。

AUDIOは趣味の分野なので 生活に必要な家庭の電気を使わないでエコ意識をもってやってみようという考えで進めようとしています。

キット品の販売は他社にお任せするようになると思いますが 要望や部品変更などの改良などの要望などは Q-えlectoronics factoryで 意見交換ができればと思っています。

小さなキットから まずはスタートします。 

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Q-Electronics Factory

私は2001年より ホームページのほうで趣味のオーデイオの情報を書いていますしたが 掲示板の廃止にともない このブログを作りましたので ホームページからのリンクで飛べるようにしました。

Q-Electronics Factory

http://homepage2.nifty.com/elec_factory/index.htm

オーデイオを始めようとする方や仕事が定年になり、またオーデイオをやってみようという方には参考になる情報かも知れません。

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現実的な音量で楽しめるオーデイオ

このブログでは 今後 現実的な音量で疲れずに楽しめる音量の1Wから15Wで楽しめる構成のオーデイオについてつぶやいてゆく予定です。  

私は オーデイオの趣味を長くしていますが 電気や物理現象はほんと正直に働くものだと思って自作や使用、組み合わせ、改良をしています。

最近のオーデイオアクセサリーを見ると 利きそうにないものも見かけますが私は 基本的に使いません。 ケーブル、端子も一般用のものだけの使用です。 但し、接触不良についてはかなり気を使っています。 部品にお金はかけないが手間は惜しまないほうです。

オーデイオの基本形は リモコンや入力セレクトと録音出力を除くと 

入力 - 音量コントロール - アンプ  - スピーカー 

     電気信号             音波振動

です。

オーデイオを始めた当初、中学生当時の真空管アンプ自作の趣味当時から、この基本形をしっかりすることが 自分にあう良いものを選択するのが余分なアクセサリーやケーブルにお金をかけないで済む方法だと考えています。

トーンコントロールを使わないことでそれぞれの素質を素直に見るようにしています。

この基本形でさえなかなか完成は見ません。 何かの妥協は必要になるものですが 最もユーザーにとって影響力があるのは購入金額でしょうか。 

最近は イコライザー DSP など 好みに合うように調整できる機能も多いものですが ほとんどは お金をかけられず妥協している部分を補正するために使っているように思えることがあります。 

良いものは 性能をまず決めて 必要な費用をかけて良い部品をえらび、期間もかけて良い機器を開発して作れますが、先に販売する価格帯、期間がすでに決まっていてその価格帯で製品を作るという構想のメーカーはおそらく多くの面で妥協があるのではないかと思います。

そう考えると オーデイオセットは バブル期前後のものはかなり良いものが多く 当時のハイエンドモデルをきちんと整備して使うと最近の安価で省エネ最優先の機器よりは ずっと良い音を楽しめます。

気をつけたいのは 入力系はハイエンドで良いのですが アンプとスピーカーの組み合わせだけは どの音量で聞くのかで決めないと大失敗します。

1Wにも満たない音しか出せない環境(アパート住まいなど)の場合に 200W以上のアンプ + 耐入力100W以上のもの などを選んでしまうと その音量ではラジカセのほうが良いということになってしまう場合もあります。

本来は試聴して決めることが理想ですが 新品も 中古品も 試聴できるオーデイオ専門の店が減り 在庫や展示品も置かないお店が増えてしまい 試聴しにくい時代になっています。

気軽に聞ける環境があると良いのですが、現在のところ気軽に聞けるのはソニープラザなどのようなメーカーの展示場などでしょうか。

小さな音でも良い音で聞くための提言:

今手持ちのセットの アンプの歪み率カーブを見て 貴方は 最も歪みの小さな音量域が出るパワーでスピーカーを鳴らしていますか?

スピーカーの許容入力が大きすぎる場合 ダンパーなどはそれに耐えるものになっています。 当然ながら小電力ではドライブよりも制動が強い状態。そこにアンプの制動がつよいものを使っていませんか? 試しに ハイパワーすぎる場合 スピーカーに直列に4Ωから8Ω の 50W-100W程度の抵抗をつけてみてください。それで音が良くなるなら自分の聞ける音量とシステム選びの方法が間違っています。 例をあげると コンサートの音は良い。 これは すべてのシステムにおいてベストな領域で働かせているからです。

無駄のないオーデイオセット選びは 高級ならば良い音か? デザインが良ければ良い音か? 想定している音量が自分で聞く音量か? を評論や他の方の意見だけに頼らず自分で考えて判断することが重要です。 

何が必要で 何が不要か 考えて スケールダウンしたり 省略してみるだけでも音が良くなる場合があったりしますよ。

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自作のバイタリテイ

CQ出版社のエレキジャック誌のサイトに 外国の方が趣味で真空管の製作を行う動画が掲載されている。

http://www.eleki-jack.com/news/2008/01/post_173.html

すごい。。

最近は半田ごても握らない電子工作があるなか ほんの少しでもこのバイタリテイを見習いたいものです。

日本の物づくり。 こういうことの伝承を忘れているような気がしてなりません。

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カタログ値と聴感の音

オーデイオの聴感は計測データで表現しにくいもの。 

理由は 実際の音楽では 速い音 遅い音 たまにくる音 一定のリズムの音 弱い音 強い音 パルス的な音 やわらかい音(正弦波) などが 混じっているためです。

計測範囲を絞り込んで、何を基準に測定するかで 調べたいところを調べることは可能ですが 人間の感じる聴感とマッチするかどうかの計測はまだできません。

将来はできるかも知れませんが 人間が聞いた音で判断するという ことは「人間らしい計測」として残っても良いような気はします。

波の速度は 周波数が変わっても可聴周波数範囲なら変化は少ないものですが 音が伝わる課程では 1つの波を基準に見てみると、その波に反射で位相がずれたものが合成されたりする場合に波長やそのときの位相の相違によって 同位相の合成による振幅増大 や逆位相での振幅減衰がおこります。 

このことは音声信号や波を扱う分野すべてで当てはまりますが、「1つの波」ではなく「全ての波」でおこるので大変なことです。水の波紋のような綺麗な1波では無いということです。たとえると 波を発生するために 動かす周波数 動かす速度ともにランダムに水面を揺らしたとき発生する波は場所によって異なるもの。 音で言えば厳密には聞く位置で音は変わってしまいます。

音声信号再生では計測のときのように2、3種類の周波数ではなく様々な音の周波数、位相、振幅が混ざり合っているため全てを同時に計測したり表示することはできません。

機器や入出力の部品によって音が変化します。 

音響、オーデイオ、音の仕様を決めるのは人間であって 自然の単音以外の音を仕様に当てはめるのは難しいものです。

実際の計測では、音について計測されている部分は人間が見られるように可視化する課程で、表示の仕方として都合のよい方法を決めて計測をしているにすぎません。

周波数レスポンスなども時系列で見たいときにはそのターゲットの一部(見たい部分)の時間を止める(同じ速度で追いかける)か戻して(記録しておいて過去のデータを見る)のがやっとで、現在出ているの音の全ての情報を同時表示させても人間はすべてを同時に判断できない。また 表示する最小分解能もデジタル機器の限界や現時点での限界でしか見ることができません。

オーデイオの計測を進めると、この「計測しきれない部分」は計測器ではなく人間が感じ取ることに頼るしかないことが良くわかります。

オーデイオ機器の開発過程では 初期は計測器に頼るが 仕上げの時点では 人間が判断します。

耳の良い人(自然の音やオーデイオ視聴を数多く経験して耳の肥えている人)に頼ることで 良い悪いを判断し チューンナップをします。

その結果 楽しく疲れないで楽しめる音 を求めることになります。

いくら良い音でも疲れてしまう音では長く聞いていられないものです。

質感をもちつつ 時間を忘れて聞ける音 何かしながらさりげなく聞ける音など が おそらく オーデイオや音楽が好きなみなさんが求める音ではないのでしょうか。

周波数特性や S/N特性だけでなく 質感を求めると アナログ的な動作でしっかりとしていて多くの周波数が同時に入っても変動しにくい部品となり 高価な部品が必要になります。電力が少ないと解決できない場合もありますので部品もしっかりしたものが必須になります。多くはこのような部分の部品代にお金がかかり 高級なアンプは高価なものとなります。

最近 デジタルアンプが増えていますが 電力効率の向上 材料の削減 生産性の向上 カタログ上のデータ インパクトあるエネルギー感の向上 が先にたっていて メーカー側の都合で普及が進んでいるだけのような気がします。

ノイズ発生が低い 聴感上の特性が良い 質感が良い  残響、ハーモニックスなどアコーステイックな音の再現性が良い スピーカーとのインピーダンスマッチングが良い など アナログアンプにあった良さが生きていない感があります。

良い音の高級アナログアンプに慣れ親しんだ方は 最近のAVアンプなど簡易的なICを使った アンプそのもののコストを削ったタイプのものの音は好きになれないという方が多いようです。 多チャンネルであってもアンプは良いものを使いたいものです。 

このような例では AVアンプに外部出力があれば お気に入りの外部アンプを付けて楽しむという手もあります。

まだ 今の時点では デジタルになればすべて解決するわけではありませんので勘違いしないようにしたいものです。 

良いものは良いことですが 省エネの時代になり、多少悪いものも何が悪いかを見て、良い部分もあるということも判断して 他の方の評価に頼らず自分の価値観で考えて使う時代になったのかも知れませんね。

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音の波長と伝搬速度

私は 仕事の分野でも 趣味の分野でも 聞く方にとって 良い音 心地よい音を求めて AUDIO Lifeを続けています。 

私は 趣味の分野では自作派ですが 高い機能を要求されるものは買って楽しみます。機能的に自分では出来ないものはメカ系のものでソースとなる機器が多く 性能を見てお金をかけます。 

音楽を聴く場合はこのソースの再生の部分で手を抜いてしまうとそのまま増幅され、増幅過程や電力>音声変換の部分でも変化が生まれますから、結果としては当然良い音にはなりません。

学生の頃からメーカー勤務の時代を経て 今までには アンプやスピーカーは 購入したものの他では数多く自作をしてきました。仕事の上でもアンプの開発に携わっていた時期がありましたが 妥協したくない性格のためこだわって物づくりをしてきました。

このブログは 自作やキットで 自分なりの音が出るシステムを組んでみようという方向でほとんど数式を使わずに わかりやすく良い音を出す基本をメモを書いて行きます。 オーデイオの音を出す機器は電子機器ですから基本の動作はすべて計測で性能評価ができますが 実際に音楽を聴くとそれぞれに個性があり、技術が進歩してもこのことは変わりません。 本物の音と機器を通った音の差を追うことは終わりのないことだと思います。 

最初に 「音」を考える上での基本中の基本 伝搬の速度 音も電波や光と同じ波なので 伝搬の速度と波長があります。光と音の差は 音の波長は光の約100万倍長いもの。   

音は1秒間に  約340m 進む(伝搬する) 波長も340m

音の波(音波)は空気の密度変化の波で進むため電波や光よりも伝搬が遅い。

伝わり方は気圧で変化するため 雨の日の音と 晴れている日の音の聞こえ方は多少異なることがあります。

音が空気中を伝搬する場合の1秒間の伝搬速度をまとめます。伝搬速度と波長の値は同じです。 音は空気などの媒体がないと進むことができません。

1Hz (1秒に1個の波) =約340m 

1Hz = 波長約340m は 1秒で340m進む こと。

光と比較しての音の速さは、小学校か中学校で習うことですが おさらいの意味で あらためて書くと、だれかと340m離れて おーいと言うと 相手の口の動きよりも 1秒遅れておーいと聞こえることを意味します 雷の位置を光った時間から音の聞こえるまでの時間差で 何Km先に雷があると 距離を計算するのはこの応用です。 

光からみると音は時間軸のレンジがまるっきり異なり、止まっているような速さなので光を基準にすることができます。最近はやりの タイムドメインと言う言葉はこの「時間」を基準に考えることを意味します。 オシロスコープなどの扱いに慣れていればわかりやすいと思います。オシロスコープなどは波形を時間軸でおいかけて同一の周波数で同期をかけて相手を見ます。絶対的には高速で流れているものですが 同速にして 相対的に差を読む方法ですから差の周波数は目で見える範囲にすることができます。   

10Hz       =約 34m

300Hz       =約1000mm

10kHz     =約34mm

可聴音周波数=20Hz~20kHz 音の伝搬速度 約17mm ~ 約17m

参考

電波や光は空気を振動させませんから伝搬が高速で 1秒間に30万Km (地球を7周半)の距離を進めます。   

電波の波長(m) = 300 ÷ 周波数(MHz) 

可視光の波長   = 0.4 ~ 0.8μm 赤 ~ 紫 

音楽の音の波は 他の波と同じく、同じ時間を基準で考えると同じ距離でも届く波長の音のレベルや位相の位置が違い、実際に計測をしてみると周波数ごとに音の強弱が異なります。

また1種類の音が1サイクル移動するにはそれぞれの時間と距離が異なるため タイムドメインの考え方も 特定の音(周波数)の成分を抜き出しての確認はできますが 同時に多数の音が混じり合いハーモニックスが生じたりしている状態を同時に確認することはできないため 聴感については今後も耳に頼るものがまだまだあります。

カタログ値や計測値は一緒でも 聞いた音が違って聞こえるのはこの「波長」が1つの要因です。部屋が狭いと低い音が聞こえないのもこのためです。 全域の音の評価には広い部屋が必要で 反射なども抑える必要があります。

素材や構造の違いを別にすると もう1つ 聴感を変える大きな要因は スピーカーとダンピングファクターの関係でしょうか。

音の比較をする場合は くれぐれも 物理現象なので 機器の違いのほか 部屋の大きさ 反響 反射 音の大きさ 曲の相違 楽器の違いからくる差もあることはお忘れ無く。 

オーデイオに関する理論的な勉強をしたい場合は AR検定(旧 ラジオ音響技能検定)を受けてみることをお勧めします。 私は 旧検定の ラジオ音響技能検定ですが2級です。ショップレベルの方でも 物理的、電気的にオーデイオ機器を説明をするには4級程度 修理をするには3級程度の実力は必要かと思います。

車なども乗ってみて自分の感性にあうかどうかで買うもの。 オーデイオも聞いてみて自分の感性にあうものを買う それが本来の姿かと思いますが 最近ではそのようなショップも減ってしまい ネット通販や量販店の販売の関係もあって 情報量が多く、カタログ値と価格のみで決定している方が多いように思えます。 

自然や美術を楽しむのと同様、オーデイオの分野、音楽の分野は 自分の感性を使って選んだり、試行錯誤したり、聞いて選ぶという人間らしい趣味は大切にしておきたいものです。

今では 雑誌などに載る 評論家の評価 人の評価 お店の評価 は1つのものさしとして見て 実際には実際に音を聞く人間が楽しめる音を求めるのが オーデイオや音楽の趣味の楽しみだと感じます。 

多く市販されている自作キットなどの製作では、製品を単に買って組み合わせるだけでは得られない 自分の手づくりの部分で、「完成させ、好みの音に近づける」という楽しみも得られる趣味の1つです。

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